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不動産登記法の大改正(権利証の廃止など)と実務対応についてのお知らせ
 

このたび不動産登記法が大幅に改正され、平成17年 3月 7日より施行されることになりましたので、実務において、今までと大きく変わる点や課題となる問題点等についてお知らせいたします。 現在法務省では細かな点についての規則等を検討している段階ということですので、今後も新しい情報が得られましたら、引き続き提供させていただきます。

主な改正点

1.登記原因証明情報の必要的提供。
  一部の登記を除き、どのような登記にも登記の経過を記載し、原則として当事者の署名押印のある書面(原本還付は可能です)を法務局に提出することになりました。

この書面は申請後10年間保存され、登記名義人の了解があれば、閲覧することが可能になっています。

原因証明情報の提供に対する実務での対応などの留意点   

原因証明情報を提供するようになったため、実務上考えられる対応や留意点について、業務別に考えてみました。

A、不動産取引業務の場合
 

今までと違い、委任状以外の書面にも署名押印が必要になるため、書面の事前送付などについて留意していただく必要がでてきました。 また、登記に至る契約の流れについて、契約当事者の署名押印による経過説明をすることになりましたので、従来行ってきた中間省略登記ができなくなりました。


B、金融機関融資業務の場合
  いままでの原因証書(抵当権設定契約書等)を原因証明情報として法務局に提供し、保管されることになりました。
また、抹消登記の場合も、原因証明情報(解約証書等)の作成が必要となります。

C、弁護士業務の場合
  判決・調停・和解調書等が原因証明情報となり、公開されることになります。

D、税理士業務の場合
  相続登記の場合、遺産分割協議書や遺言書が、原因証明情報とし て提供され、公開されることになります。

2.権利証を紛失した場合に行っていた保証書制度が廃止になりました。
  権利証の提出(オンライン申請可能法務局では登記識別情報の提供) ができない場合、旧来の保証書制度に代わり、事前通知制度・資格者による本人確認情報の提供制度・公証人による確認認証制度が創設されました。

イ、事前通知制度
 

 今までの保証書制度と似ています。登記申請後に法務局から本人限定受取郵便(自然人の場合)で郵送される通知書を、法務局に提出して登記を進めてもらう制度です。

所有権に関する登記で、登記義務者が自然人の場合、登記申請3か月以内に住所の変更更正登記が行われていた場合は、旧住所にも転送禁止の確認郵便が郵送され、本人がいないことを確認します(万一家族等が受け取ってしまった場合は、登記は止まります)。

事前通知制度は、いままでの保証書制度と違い、登記申請をした時点が本受付となるので、登記事項証明書の交付が受けられなくなります(旧来の通知書提出前に登記情報の確認する方法がとれない)ので、決済を伴う場合には不向きな制度であると思われます。


ロ、資格者(司法書士)による本人確認情報の提供制度
  司法書士が申請代理する案件について、その司法書士が登記義務者(自然人)と面談(電話での確認は無効です)して、その状況を登記官に報告します。

さらに登記義務者と面識がない場合には、運転免許証・住基カード・パスポートまたは健康保険証等の場合は、さらに別の書類で本人確認をした旨を登記官に報告して申請します。

いままでの司法書士が保証人となる場合と同じですが、本人確認手段が法律に規定されており、運転免許証等の写しの提出が必要になります。

登記義務者が法人の場合は登記申請代理を直接依頼する担当者と面談し、面識がない場合は本人確認ということになりますが、さらに法人内部で登記申請を依頼できる地位にあることの確認文書を提出することになるようです。

申請代理人となることが要件となるため、登記義務者が遠隔地にいる場合は交通費をかけて面談するか、別の司法書士と共同代理を考えることになるでしょう。

ハ、公証人による本人確認文書の認証制度
  登記内容を記載した文書に公証人が本人確認した旨の認証文を付与して もらい、登記申請書に添付する方法です。

3.登記官による本人確認制度が創設されました。
  登記官が、本人が申請をしていないと疑った場合は、本人に出頭を求めることができるようになりました。これは司法書士による申請の場合も例外ではありません。 このため、登記申請後も本人とは連絡可能な状態にするようご留意くださ い。 なお、要件が調えば登記の不受理を法務局に申し立てることができるよう になりました。

4.印鑑証明書等の原本還付ができなくなりました。
  印鑑証明書とその登記のために作成した委任状等の書類の原本還付ができなくなりました。

5.権利証(抵当権設定登記済証等)が廃止になりました。
  オンライン申請可能との指定を受けた法務局(予定としては3月22日からは上尾法務局が対象になります)では、指定日以後に登記をしたものについては登記済証(権利証)が廃止され、代わって12桁の暗証番号のような登記識別情報が本人または代理人(登記申請とは別に授権が必要)に通知されます。

この番号のようなものは、不動産ごと、人ごと、登記ごとに作られます。例えば、夫婦が共有で土地建物私道を購入した場合は、6個の登記識別情報が通知されます。   

以後の登記申請には、権利証(抵当権設定済証等)の提出に代わって、 この登記識別情報を法務局に知らせることになります

※登記識別情報の問題点
いままでは、売買による立ち会いや住宅ローン等の借り換えの場合、登記義務者の登記済証を事前またはその場で確認していましたが、登記識別情報はその番号自体が複雑で秘密なため、符号の有効性や番号が合っているかどうかなどの確認ができないか、確認させてもらえない事態(金融機関や宅地分譲業者等)が想定できます。

登記義務者の協力がある場合(金融機関の協力はセキュリティ上期待できないでしょう)、事前確認は有料で行えますが、決済後登記申請直前に失効させることができます。



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